節分「鬼の色」の意味

節分 stand.fm(音声配信)

さて、今日は節分です。節分が2月3日ではなくなるのは昭和59年2月4日以来37年ぶりで、2月2日が節分になるのは明治30年2月2日以来の124年ぶりのことだそうです。節分の日にちが変わるのは、太陽が地球を一周するのが365日ぴったりではなく少しずれているためで、今後も節分が2月3日以外になることがあるので、カレンダーなどでチェックしてみてください。

この「節分」ですが、実は年に4回あり、季節を分ける日という意味で、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを節分と言います。今は「立春」の前日だけを節分と言いますが、これは春が一年の始まりということで、一番大切だと考えられていたからだそうです。

昔から節分には邪気払いをして、新しい季節を迎えるという考え方があり、その邪気払いの象徴が「豆まき」です。節分

豆まきにはよく赤鬼と青鬼が登場しますが、他にも緑、黄(白)、黒の5種類の鬼がいて、5つの煩悩に由来していると言われています。

これは仏教の「五蓋(ごがい)」という考えが元になっているようで、五蓋(ごがい)は漢字で書くと「五つの蓋」となり、仏教徒が瞑想する時に邪魔をする5つの煩悩を表していて、この5つの煩悩が人間の心に蓋をしているということで、それを取り払い、さらに成長しましょうということのようです。

鬼の色によって煩悩が違うので、豆まきの時には自分が打ち勝ちたい煩悩の色の鬼に豆を投げ、煩悩や邪気を払ううと良いそうなので、鬼の色と煩悩について書きたいと思います。

まずは「赤鬼」ですが、赤鬼は貪欲(とんよく)といい、欲望や求めすぎる心、すべての悪い心を表しています。もし、自分のそんなところを手放したいという場合には、赤鬼に向かって豆をぶつけることでその煩悩や邪気を払うことで、自分の中の悪い心が取り除かれると言われています。

次に「青鬼」ですが、青鬼は瞋恚(しんに)といって、自分の中の悪意や憎しみ、憤怒(ふんぬ)=激しい怒りや憤り(いきどおり)などを表します。もし自分の中の悪意や憎しみ、怒りなどを手放したい場合には、青鬼に向かって豆をぶつけることでその煩悩や邪気を払い、自分自身を浄化し、福に恵まれるようになると言われています。

次に「黄鬼」ですが、白鬼と言われる場合もあるようです。黄鬼は掉挙(じょうこ)悪作(おさ)と言って、自分の甘えやわがままな心や執着などを表します。もし自分の中の心の弱さや浮ついた心を手放したい場合には、黄鬼に向かって豆をぶつけることでその煩悩や邪気を払い、公平な判断をし、心の平穏が保てるようになると言われています。

次に「緑鬼」ですが、緑鬼は惛沈(こんちん)睡眠と言って、不摂生による怠惰や眠気、不健康を表します。もし自分の中のこういったことを手放したい場合は緑鬼に豆をぶつけることでその煩悩や邪気を払い、健康に過ごせるようになると言われています。

最後に「黒鬼」ですが、黒鬼は「疑(ぎ)」といって、自分の中にある疑う心や愚痴などを表します。もし自分の中にある不平不満を言う心、人を疑う心を手放したい場合には、黒鬼に豆をぶつけることでその煩悩と邪気を払い、平穏な生活を送れるようになると言われています。

ちなみに、「鬼に金棒」ということわざがありますが、鬼の色によって武器が違い、赤鬼は金棒青鬼は刺股(さすまた)黄鬼は両刃のこぎり緑鬼は薙刀(なぎなた)、黒鬼は斧と決まっていて、金棒は赤鬼専用の武器のようです。

何色の鬼にしたらいいのか迷ったときには「すべての悪い心」を表す赤鬼を退治するのがおすすめです。

ちなみにこの「豆まき」ですが、「魔を滅する」ということで「豆」を使うようですが、地方によりいろいろなものをぶつけるようです。私が住んでいる北海道では「落花生」での豆まきが主流です。なので、この時期になるとたくさんの落花生がスーパーに並びます。あの落花生をそのまま投げるので、片づけは楽な方かもしれませんが、パニックになった子ども達が間違って踏んでしまうと、結構粉々になります…。

皆さんのお住いの場所ではどんなものをまくのでしょうか。最近はチョコレートなどのお菓子をまく家庭もあるそうです。

他にも少し調べてみたら、関東地方ではけんちん汁と食べる習慣だったり、四国地方ではこんにゃくやなまこなどお腹をスッキリさせる食べ物を食べて体の中もきれいにする習慣だったり、京都などではイワシを食べる習慣もあるようです。

個人的にはどんな形であれ、昔からの行事が今もあるのは嬉しいことだと思っています。

今年の恵方は「南南東」です。恵方巻を食べる方は、無言でおいしく召し上がってくださいね。

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